保活:異議申立書解説

シリーズ「保育園に入れてください!」
先日渋谷区役所に提出した異議申立書の内容を解説します。

異議申立書の内容はコチラ↓

保活:異議申立書完成の記事

 

総務省のホームページの
行政不服審査法Q&Aによる必要的記載事項とされている7項目を
以下の通りに対応させました。
①異議申立人の氏名及び年齢又は名称並びに住所
1.異議申立人の氏名、年齢、住所

 

②異議申立てに係る処分

3.異議申立てに係る処分

 

③異議申立てに係る処分があったことを知った年月日
4.異議申立てに係る処分があったことを知った日

 

④異議申立ての趣旨及び理由
5.異議申し立ての趣旨
6.異議申立ての理由

 

⑤処分庁の教示の有無及び教示の内容
7.処分庁の教示の有無及びその内容

 

⑥異議申立ての年月日
冒頭に提出日の日付を記載

 

⑦異議申立人等の押印
冒頭の異議申立人の横に押印

 

今回はこれに
2.児童名および年齢」を加えました。

 

ではでは、ポイントごとに説明します。
※条文は全て「総務省 法令データ提供システム」から引用しています。

 

5.異議申し立ての趣旨
待機の決定を取り消すことを求める記載と共に
「口頭陳述を求める。」と加えました。

 

この「口頭陳述」ですが・・・

 

行政不服審査法に
第七十五条  審査会は、審査関係人の申立てがあった場合には、
当該審査関係人に口頭で意見を述べる機会を与えなければならない。
ただし、審査会が、その必要がないと認める場合には、この限りでない。

 

という条文があります。

 

原則、行政側は異議申立人が求めた場合
口頭で意見を述べる機会を与えなければならないのです。

 

後日呼び出し状が届き、役所に出向く必要があります。
正直面倒だし、百戦錬磨のお役人に口頭で物申すのはとても心理的ハードルが高い・・・

 

すごく迷ったのですが
せっかく法律で認められている権利のようですし、保活に関して他に頑張れることもなさそうなので、
意を決して「口頭陳述を求める。」の一文を加えました。

 

6.異議申立ての理由
異議申立書の中で最も重要な部分です。
通知を受け取って感じたことはそれぞれの家庭によって違うと思うので、
異議申立ての理由も家庭ごとに違うと思います。

 

もっと感情的に書いても良かったのかなとも思いますが・・・
ネットサーフィンをしていて法律を絡めて理由を記載しているものが結構ありました。

 

確かに行政は法令に基づいて行われているものだし、
その方が説得力があるのかな?と思ったので、
関連の条文を一読したうえで加えてみました。

 

引用した法令の条文を抜粋してご紹介します。

 

●いかなる審査基準によって入所の承諾・待機の審査をしているのか明らかでない(行政手続法第5条違反)。
行政手続法 第五条
行政庁は、審査基準を定めるものとする。
2 行政庁は、審査基準を定めるに当たっては、
許認可等の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない。

 

3 行政庁は、行政上特別の支障があるときを除き、
法令により申請の提出先とされている機関の事務所における備付け
その他の適当な方法により審査基準を公にしておかなければならない。

 

●保護者の職業により不利になる審査基準は不平等である(憲法第22条違反)。
憲法 第二十二条
何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。

 

● 申込児童についていかなる具体的理由で入所待機となったのか明らかでない(行政手続法第8条違反)。
3項の処分にかかる通知書には、抽象的な理由の記載しかない。
行政手続法 第八条
行政庁は、申請により求められた許認可等を拒否する処分をする場合は、
申請者に対し、同時に、当該処分の理由を示さなければならない。
ただし、法令に定められた許認可等の要件又は公にされた審査基準が数量的指標
その他の客観的指標により明確に定められている場合であって、
当該申請がこれらに適合しないことが申請書の記載又は
添付書類その他の申請の内容から明らかであるときは、
申請者の求めがあったときにこれを示せば足りる。

 

2  前項本文に規定する処分を書面でするときは、
 同項の理由は、書面により示さなければならない。

 

●児童福祉法第24条第3項の「やむを得ない事由」がないのに
入園待機としている(児童福祉法第24条第1項本文違反)
児童福祉法 第二十四条
○3 市町村は、一の保育所について、
当該保育所への入所を希望する旨を記載した前項の申込書に係る児童のすべてが入所する場合には
当該保育所における適切な保育を行うことが困難となること
その他のやむを得ない事由がある場合においては、
当該保育所に入所する児童を公正な方法で選考することができる。

 

●申込児童は「保育に欠ける」児童であるのに入所待機となると、
 保育を受ける権利を侵害され、入所承諾された児童との間での不平等が生じる。
また、異議申立人らも保育所を利用する権利を侵害され、
就労・職場復帰が困難になるなどして困窮する
(憲法第13条、憲法第14条、憲法第25条、児童福祉法第24条第1項本文違反)。
⇒憲法 第十三条
すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、
公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
⇒憲法 第十四条
すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、
政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
⇒憲法 第二十五条
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
⇒児童福祉法 第二十四条
市町村は、保護者の労働又は疾病その他の政令で定める基準に従い条例で定める事由により、
その監護すべき乳児、幼児又は第三十九条第二項に規定する児童の保育に欠けるところがある場合において、
保護者から申込みがあつたときは、
それらの児童を保育所において保育しなければならない。
ただし、保育に対する需要の増大、児童の数の減少等やむを得ない事由があるときは、
家庭的保育事業による保育を行うことその他の適切な保護をしなければならない。

 

●入所待機としているにもかかわらず、申込児童について
「適切な保護」をしようとしていない(児童福祉法第24条第1項但し書き違反)。
区立保育所申し込みの権利及び認証保育所入園時の保育料助成等は
入園が保障されているものではない上に、
保育所に至っては2歳以降の保育が保障されていないため不十分である。
⇒児童福祉法 第二十四条

 同上
ただし、保育に対する需要の増大、児童の数の減少等やむを得ない事由があるときは、
家庭的保育事業による保育を行うことその他の適切な保護をしなければならない。

 

法律って、堅苦しい言葉が多くて分かりづらいですよね・・・

だから人によって解釈が違ってややこしいことになっているんだと思います(-“-)

 

7.処分庁の教示の有無及びその内容

 

一瞬なんのこっちゃ?と思いますよね。
超ざっくり説明すると・・・

行政による処分に納得できず不服を申し立てる時の方法として、

「審査請求」「異議申立て」の2種類があるのですが・・・

どっちを選択すればいいのかは、特集が組めるほど複雑で分かりづらいんです。

それに、そもそも不服を申し立てられる権利があることを知らない人だっていますよね。

なので、行政不服審査法でちゃんと教示しなさいねって条文があるんです。

行政不服審査法 第八十二条
行政庁は、審査請求若しくは再調査の請求又は他の法令に基づく不服申立て
(以下この条において「不服申立て」と総称する。)をすることができる処分をする場合には、
処分の相手方に対し、当該処分につき不服申立てをすることができる旨並びに
不服申立てをすべき行政庁及び不服申立てをすることができる期間を書面で教示しなければならない。
ただし、当該処分を口頭でする場合は、この限りでない。

 

この教示がなかったり、間違っていた場合の救済についても法律で決められているのです。

なので、当該処分があった時に不服申立てができますよという教示があったか?ということが大事なんだと思います。

 

今回は「保育所利用調整結果通知(待機)」の下の方に
教示がありましたので、その内容を記載しました。
本当に超ザックリな説明でしたが、こんなに長文(^_^;)

 

この異議申立書を出したからと言って
今すぐ状況が変わるわけではないことは百も承知ですが、
少しでも保育に関わる環境が改善することを切に願います。

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